大転輪仏頂

大転輪仏頂だいてんりんぶっちょう

Mahoṣṇīṣa-cakravartin

仏教において仏陀の頭頂の功徳を仏尊とした仏頂尊の一尊で三仏頂および八仏頂の一。サンスクリット名は「マホーシュニーシャチャクラヴァルティン(Mahoṣṇīṣacakravartin)」といい、「マホーシュニーシャ」は「大きな肉髻」、「チャクラヴァルティン」は「障害なく転がる(輪)」、「君臨し続ける」などの意味がある。このことから「大転輪仏頂」という名のほか、「広生仏頂(こうしょうぶっちょう)」、「広大仏頂(こうだいぶっちょう)」、「極広広生仏頂(ごくこうこうしょうぶっちょう)」などの名前でも呼ばれる。息災の徳を司るという。また「摩訶瑟尼沙斫羯羅縛哩底(まかしゅにしゃしゃからばりち)」と音写される。胎蔵界曼荼羅において釈迦院下段左側三列目に配される。尊容は現図では黄色の身色で、独鈷杵の乗った蓮を右手に持ち、左手は胎拳にして人差し指を伸ばし赤蓮華に坐す。

種字は「त्रूं(trūṃ)」、密号は「破魔金剛(はまこんごう)」、印相は八葉蓮華印、真言は「曩莫三滿多沒馱喃吒嚕吽鄔瑟抳灑娑嚩賀」(広生仏頂真言・T0852)、三昧耶形は五股金剛杵。

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  • This Page Last Updated: 2022-02-16