息壌そくじょう
Xī-răng
「息壤」とも書く。また「息土(そくど/Xī-tǔ])」とも呼ばれる。絶えず増殖し続けるという不思議な土、ないし土のような怪物。語義は「息づく土壌」といったもの。中国最古の地理書とされる「山海経」の「海内経」に拠れば、黄帝の孫であった「鯀(こん/Gǔn)」が大規模な洪水を治水する命を負ったが、帝の許可を得ずに帝の所有していた息壌を盗んだため、帝命により祝融によって殺されたという。「淮南子」には「禹は息土をもって洪水を填めた」とあり、鯀の息子とされる禹がしたことになっている。海内経に付注した郭璞によれば、漢の元帝の時代(前48年〜前33年在位)に臨淮徐県で長さ六里、高さ一丈に渡って「大地が踊った」ことがあり、息壌もこの類ではないかと論じている。
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