人面疽
じんめんそ
日本に伝わる不可思議な疾患。「伽婢子」や「怪霊雑記」などの文献に見える。「じんめんそう」とも読む。また「人面瘡」とも書く。主に膝頭や太股などに出来る腫れ物で、大きくなるにつれ人の顔に似てくるという。場合によっては言葉を喋ったり腫れ物自らが食べ物を食べだしたりすることもあるという。酒を飲ませれば赤くなり、食べ物を食べさせればその部分が張ったという。形状としては平面状に顔がくっついた形のものから頭が生えたような立体的な形のものまである。祈祷や治療ではまず治らず、刃などで削ぎ取ってもまた同じところに人面疽が出来る。ただ、「伽婢子」には「貝母(ばいも)」という薬を人面疽の口に無理やり飲ませたら治ったという話が載っている。人面疽の出来る理由は定かではないが応声虫という怪物によって出来るとされる場合もある。
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