慈発生菩薩じほっしょうぼさつ
Maitryabhyudgata, Mahāmaitryabhyudgata
密教における菩薩の一尊。サンスクリット名は「マハーマイトリヤビユドガタ(Mahāmaitryabhyudgata)」ないし「マイトリヤビユドガタ(Maitryabhyudgata)」といい、「(大いなる)慈心の現れ」といった意味があり、「慈発生菩薩」、「大慈生菩薩(だいじしょうぼさつ)」、「慈生菩薩(じしょうぼさつ)」、「大慈起菩薩(だいじきぼさつ)」、「大慈出超菩薩(だいじしゅっちょうぼさつ)」などと意味訳される。衆生が自ずから慈悲を発生されることを象徴する仏尊だとされる。胎蔵界曼荼羅の除蓋障院において東方(上方)から第七位(あるいは第六位)に配される。その像容は肉色の身色で左手に無憂樹を持ち右手は膝の上に掌を上にして置き、開敷蓮華に座す姿で表される。
種字は「ठं(ṭhaṃ)」、密号は「悲念金剛(ひねんこんごう)」、「慈念金剛(じねんこんごう)」、三昧耶形は未敷蓮華・梵篋、印相は右手の親指と人差し指を相捻して花を取るような形にするものなど、真言は「南麼三曼多勃馱喃(なうまくさまんだ)娑嚩制妬嗢蘗(そわせいとどぎゃた)莎訶(そわか)」、「南麼三曼多勃馱喃諂(なうまくさまんだぼだなんたん)」(「大慈生真言・T848)。
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慈發生菩薩(除蓋障院)
国訳秘密儀軌編纂局 編
「新纂仏像図鑑 地之巻」より
国立国会図書館蔵
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