ジャタ
Djata
インドネシアのボルネオ島のダヤク族における女神。ただし一部の伝承では男性神とするときもある。人間界の下にある下界のバスフン・ブラウ(金が積もった川)に住み、ワニを眷属とする。また創造神話では上界の金の山という所に住んでいる。正式名称を「バウイン・ジャタ・バラワグ・ブラウ(Bawin djata balawang bulau="金の戸口を持つ女のジャタ")」といい、「金の戸口」とは女性器をさす。また本来の名前を「タンボン(水蛇)」といい、水蛇の姿で人々の前に現れるという。マハタラ(→ティガグ)の敵対者とされるが、両者は時に両性具有の神であり、子供達がそこから世界にやってくるという、世界樹そのものであるとも言われる。マハタラと違ってイスラム教時代、キリスト教時代に改名されなかったのは、両宗教ともにこの女神を認めていなかったからである。
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