セドナ

セドナ

Sedna

イヌイットに伝わる恐ろしい海の女神。一つ目で指が無く、巨大で荒々しく、邪悪な死者を眷属としている。セドナは元々人間であったが、人間に化けた海燕に求婚され、これを受けた。セドナの父親はこれに怒ってセドナを彼のもとから引き剥がし、船に乗せて帰ろうとした。その時途端に海が荒れ大嵐になったので、父親はこれが彼の復讐だと考え、恐怖に駆られてセドナを海に投げ込んで自分だけ助かろうとした。しかしセドナが必死に船べりにしがみつくので、父親は櫂でセドナの左眼をつぶし、斧で指を叩き切った。こうしてセドナは海の底にすむ神になったのだという。また別の伝説ではセドナは巨人の夫婦の間に生まれたが、他の巨人よりさらに食欲が旺盛で、夫婦が寝ている時に彼らを食べようとしたため、ボートに乗せられ海に落とされたのだという。ボートにしがみつくセドナの指を切り離すとその一つ一つクジラやアザラシ、魚の群れなどに変わったという。

海に棲むあらゆる生物の母であり、海の気象を支配しているとされる。従ってイヌイットのシャーマンは不漁の際はトランス状態になってセドナと交渉する。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-20