サテト
sateto
エジプト神話において豊穣と洪水、そして戦争を司る女神。クヌムの配偶神の一人だが、彼女は子を生めない女神で、二人の間に子はいない。そのかわり、ナイル川の激流を司る女神として洪水を引き起こし、エジプト全土に恵みをもたらすと考えられた。当初はナイル川の源流と考えられていたエレファンテネやファイユームで信仰されていたが、ナイルの源流がもっと南部のアフリカ中央付近にあることが分かるにつれヌビアなどの南部地域を結び付けられるようになった。水と関連して清浄をもたらす女神ともされ、死んだファラオを冥界の入り口で出迎えて水によって清めるとされた。またナイル川の氾濫は戦争による征服に比喩され、ナイル川の猛々しい面を象徴するサテトは、戦争の女神とも考えられるようになった。
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