サラマンダー

サラマンダー

Salamander

ヨーロッパにおいて、炎の中を自由に動けるとされたトカゲに似た怪物の一種。ラテン語では「サラマンドラ(Salamandra)」と呼ばれる。中世の動物寓話集には「ディー(Dea)」や「ステリオ(Stellio)」といった名前でも紹介された。火山の斜面に棲んでいるとされ、「その分泌物が噛み傷を治す薬になる」、「触れた果物は全部毒が回ってしまう」、「獅子の口をふさぐことが出来る」などといったサラマンダーの色々な能力について説明が成されている。実際にヨーロッパでは石綿(繊維状の鉱物。当たり前だが石なので火に投じても燃えない)の布がサラマンダーの皮として売られていたという。また、サラマンダーの皮で作った服は、例え汚れても火に投じれば綺麗になるとされた(石綿を残してほこり等は全て燃えてなくなるため)。ただし、石綿から生じた塵は人体に有害である。

サラマンダーの図像はフェニックスなどと同様に紋章によく用いられる。極寒の海に生息するエケネイスはサラマンダーにとっての天敵であるとされた。錬金術師パラケルススはサラマンダーをエレメンタル(四大精霊)の一種族で四大元素のうち「火」を象徴する精霊だと考えた。

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  • This Page Last Updated: 2022-03-25