白粉婆
おしろいばばあ
日本の奈良県吉野郡や石川県能登地方に伝わる妖怪。顔いっぱいに白粉(おしろい)を塗りたくっている老女の姿をしている。白粉の塗り方が乱雑な上に厚いので、夜中に出会うと見るだけで恐ろしいとされる。鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」では白粉婆は白粉の神である脂粉仙女に仕えている侍女だと説明されていて、破れ笠をかぶって右手に杖を付き、左手に酒徳利を持って雪の中を歩く、腰の曲がった老女として描かれている。石燕は「恐ろしきもの、師走の月夜、女の化粧」と付記しているので女性の行き過ぎた化粧に対する揶揄として民間で知られていた白粉婆を引用したのかもしれない。
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をしろひ婆々(おしろいばばあ)
李冠光賢画
「怪物画本(かいぶつえほん)」より
国際日本文化研究センター蔵
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白粉婆(おしろいばヽ)
「百鬼夜行拾遺(ひゃっきやぎょうしゅうい)」(1805)より
ページ:v01p012
鳥山石燕著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain紅おしろいの神を脂粉仙娘と云/おしろいばヽは此神の侍女なるべし/おそろしきものしはすの月夜/女のけはひとむかしよりいへり