馬郎婦観音めろうふかんのん
Mǎlángfù guānyīn
「ばろうふかんのん」とも読む。三十三観音の一尊で、中国由来の変化観音(→観音菩薩)。観音菩薩が美女に変化して、法華経を二日間で諳んじることができた馬氏の若者(つまり馬郎)に嫁いだ、という故事に拠る。またこの説話の女性は魚の籠を下げて売り歩いていた魚商であったとされ、女性は婚礼の夜に死んでしまい、棺桶には金の鎖骨しか残らなかったという。この話から生まれたのが、魚籃観音、馬郎婦観音および「鎖骨菩薩(さこつぼさつ)」であるため、この三尊は同体と考えられる。観音菩薩が姿を変えて人々を救済するという「三十三応現身」のうちの(居士婦女身、長者婦女身などを総じた)「婦女身(ふにょしん)」にあたる仏尊とされる。婦女が天衣ないし宋代の服装を身に着け、両手を重ねて立つ姿、或いは折本の経文を両手に持って読む姿などで表される。
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馬郞婦觀音
「増補諸宗 佛像図彙(ぞうほしょしゅう ぶつぞうずい)」(1900)より
ページ:v02p018
土佐秀信著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain三十三観音の一尊として。