クリカウェリ
Curicaueri
メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じる創造神であり、また創造の男性原理。「クリカベリ」とも呼ばれる。配偶神であるクェラウァペリとの間にシャラタンガという月の女神をもうけている。また化身ケレンダ=アンガペティとしては太陽神、火の神、トウモロコシ(メイズ)の神となる。
崇拝の中心地はツインツンツァンにあるヤカタ(神殿群)であり、ヤカタで絶え間なく火を焚き続けることが、クリカウェリ信仰では重要とされた。このために「クリトシット=アチャ(Curihtsir-acha)=火の番をする者」と呼ばれる5人の特別な神官が任務についていた。煙は特に重要とされ、人間と神々との特別な交信方法であると信じられていた。この聖なる火には香りを与えるためにタバコが投げ込まれた(また、タバコを吸えるのは神官だけだった)。また、高価な毛布を織り、聖なる火で焼くトウモロコシのパンを作ることでクリカウェリに仕えていた女性の集団も存在した。戦争捕虜はクリカウェリの生贄となり、クリカウェリとクェラウァペリを祀る儀礼である「シクインディロ」ではその血が聖なる火に捧げられた。神官は生贄の皮を着て踊りを踊り、心臓はアラロの温泉に投げ込まれた。
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