蛤蜊観音こうりかんのん
Gé-lí guān-yīn
仏教において中国由来の変化観音(→観音菩薩)の一つであり、三十三観音の一尊。「蛤蜊(こうり)」とは蛤(はまぐり)を意味し、日本では俗に「はまぐり観音」の名でも呼ばれる。妙法蓮華経の一節「若悪獣囲遶/利牙爪可怖/念彼観音力/疾走無辺方(もし悪獣に囲まれ、鋭い牙や爪に脅かされたとしても、彼の観音の力を念じれば、悪獣たちはすぐに遠く彼方へ走り去るだろう)」に対応するとされ、また観音菩薩が姿を変えて人々を救済するという「三十三応現身」のうちの「菩薩身(ぼさつしん)」にあたる仏尊とされる。また「仏祖統記」には開かない蛤を香で焚いて祀ったところ観音の形に変じたという話がある。蛤の上に坐す姿で描かれる。
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蛤蜊觀音
「増補諸宗 佛像図彙(ぞうほしょしゅう ぶつぞうずい)」(1900)より
ページ:v02p017
土佐秀信著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain三十三観音の一尊として。