金剛拳菩薩

金剛拳菩薩こんごうけんぼさつ

Vajrasandhi, Vajramuṣṭi

密教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「ヴァジュラサムディ(Vajrasaṃdhi)」(「ヴァジュラサンディ(Vajrasandhi)」ともされる)ないし「ヴァジュラムシュティ(Vajramuṣṭi)」といい、「ヴァジュラ」は「金剛」、「サムディ」は「結合」、「ムシュティ」は「拳」を意味するため、「金剛拳菩薩」、「金剛拳(こんごうけん)」、「金剛合(こんごうごう)」などと意味訳される。また「嚩日羅散地(ばじらさんち)」、「跋折羅散地(ばさらさんち)」等と音写する。一切如来の印契を成就する悉地円満の徳を司る仏尊であるという。金剛界曼荼羅において十六大菩薩の一尊として、北輪不空成就如来の北方(右側)に配される。また胎蔵界の金剛手院では第一列(むかって左側)東方(上方)より第六位に配される。また同じく金剛手院において金剛牙菩薩の侍尊としても配される。
種字は「बं(baṃ)」、「द(da)」、密号は「秘密金剛」、三昧耶形は横杵(現図では略)上に二手金剛拳、十字独鈷杵、真言は「曩莫三滿多嚩日羅赧娑怖吒野縛日羅三婆吠娑嚩賀」(金剛拳真言・T0852)。

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  • This Page Last Updated: 2022-02-11