清姫
きよひめ
日本における有名な怨霊の一人で、男を慕う気持ちが強いあまり、蛇になったしまった女性。「今昔物語集」や「京鹿子娘道成寺」などで知られる。紀州(和歌山県)道成寺縁起の安珍(あんちん)清姫伝説として知られている。彼女の家にはよく熊野参詣に訪れる一人の山伏安珍が宿泊しており、清姫は幼い頃から父に言われるままに彼こそ自分の将来の夫と信じ込んでいた。しかし安珍にその気はなく逃げ出した為に、清姫は恋しさのあまり10メートルはあろうかという大蛇(頭は清姫のまま)に変貌し、目から血を流しながら安珍を追いかける。最後には安珍が隠れた道成寺の釣鐘に巻きついて口から火を吐き殺してしまう。
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道成寺鐘(どうじょうじのかね)
「百鬼夜行拾遺(ひゃっきやぎょうしゅうい)」(1805)より
ページ:v01p010
鳥山石燕著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain真那古の庄司が娘道成寺にいたり/安珍がつり鐘の中にかくれ居たるをしりて蛇となりその鐘をまとふ/この鐘とけて湯となるといふ/或曰道成寺のかねは今京都妙満寺にあり/その銘左のごとし/紀州日高郡矢田庄/文武天皇勅願所道成寺冶鐘/勧進比丘別當法眼定秀檀那/源万壽丸幷吉田源頼秀合山/諸檀越男女大工山願道願小/大夫守長延暦十四年乙亥/三月十一日