器手天きしゅてん
Karoṭapāṇi
密教において伊舎那天の眷属とされる天部(→天)の一尊。サンスクリット名の「カロータパーニ(Karoṭapāṇi)」といい「鉢を持つ」、といった意味があり、酒器を持つ仏尊であるがゆえに「器手天」と称するという。胎蔵界曼荼羅の外金剛部院(最外院)の東方(上方)において伊舎那天の側に、同じく眷属である「伊舎那天后(いしゃなてんこう)」や「常酔天(じょうすいてん)」、「喜面天(きめんてん)」などとともに配される。このとき自身の后である「器手天后(きしゅてんこう)」も伴う。その像容は身色肉色で右手に酒杯を持ち、左手は開いて指先を胸に当て筵に座す姿で表される。器手天后も同じく左手に酒杯を持ち、左手は開いて外に向け膝の上に置き、筵に座す姿で表される。種字は「क(ka)」、「रो(ro)」。
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器手天(右)、器手天后(左)
国訳秘密儀軌編纂局 編
「新纂仏像図鑑 地之巻」より
国立国会図書館蔵
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