倩兮女
けらけらおんな
日本における巨大な女の妖怪。鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に見える。誰もいない寂しい道などを歩いている時に、人間の背丈より高い垣根や塀の向こう側にゅっと巨大な姿をあらわしケラケラと笑って人を驚かす。着物を着た中年の女の姿をしており、まるで踊るように楽しそうに手を振りながら、口紅を塗りたくった赤い唇を思いきりめくらせて笑う。一説に沢山の男たちを弄んだ淫婦の霊が化したものだと言われる。石燕が当時あった怪談を脚色したものだと思われる。
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笑女(わらいおんな)
李冠光賢画
「怪物画本(かいぶつえほん)」より
国際日本文化研究センター蔵
Copyright: public domain
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倩兮女(けらけらおんな)
「百鬼夜行拾遺(ひゃっきやぎょうしゅうい)」(1805)より
ページ:v01p013
鳥山石燕著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain楚の国宋玉が东隣に美女あり/墻にのぼりて宋玉をうかがふ/嫣然として一たび笑へば陽城の人を惑せしとぞ/およそ美色の人情をとらかす事古今にためし多し/けらけら女も朱唇をひるがへして多くの人をまどはせし淫婦の灵ならんか