金霊
かねだま
日本における黄金の精霊の一種。鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」の説明では、金霊は黄金の気であり、善人の元に出現して大金持ちにするものだとしている。どうやら空を飛んでくるものらしく、大量の大判小判が光とともに蔵の中に降り注ぐ絵が描かれている。もっともこれは「天より福を授かる」という言葉を象徴的に表した絵で、金霊本体を描いた絵ではないかもしれない。「古今百物語評判」には、夕暮れ時に薄雲の姿になって出現した銭神(ぜにがみ)という金霊の話がある。その薄雲は人家の軒の辺りで声をあげて騒ぎ立て、見つけた人が刀で切りつけるとそこから沢山の銭がこぼれ落ちてきたという。