ホロケゥカムイ
アイヌにおいて狼の姿で顕現する男性のカムイ。北海道には明治まで狼が生息しており、アイヌ人は熊とも対等に戦うその勇猛さに感銘を受け、それがホロケゥ(狼の)カムイとなった。ホロケゥカムイは格の高いカムイであり、ホロケゥカムイの「カムイモシリ(カムイの世界=カムイ達が本来の姿で暮らす国)」は他の動物のカムイと違って(ほとんどの動物のカムイは山奥にあるカムイモシリに住んでいる)天にあると考えられていた。また、ホロケゥカムイはアイヌモシリ(人間の世界)に住むことを強く望んだカムイであるとも言われる。熊のカムイ(ヌプリコロカムイ、キムンカムイ)と関連付けられることが多く、同時期に天から降りたと伝えられている。また、悪い熊を退治するカムイとも考えられていた。獲物の一部を人間に譲るとされ、その点でも崇拝されていた。
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