祓戸大神
はらえどのおおかみ
日本神道において、「祓(はらい)」を司るとされる四柱の神のこと。「はらいどのおおかみ」とも訓ずる。また「祓戸四柱大神(はらいどのよつばしらのおおかみ)」、「祓戸皇大神(はらえどのすめおおかみ)」、「祓戸神(はらえどのかみ)」などの名でも呼ばれる。「延喜式」の大祓詞に言及される瀬織津比咩神、速秋津比売神、気吹戸主神、速佐須良比咩神の四柱のことで、これらの神は記紀に登場しないが、本居宣長はそれぞれ瀬織津比咩神は禍津日神(→大禍津日神、八十禍津日神)、速秋津比売神は伊豆能売神、気吹戸主神は直毘神(→大直毘神、神直毘神)、速佐須良比咩神は風木津別之忍男神と同神であると説いている。滋賀県大津市の「佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)」、東京都港区の「日比谷神社(ひびやじんじゃ)」、宮崎県西都市の「速川神社(はやかわじんじゃ)」など多くの神社が祓戸大神を四柱ともに祀るほか、このうちの単神や二柱を祀る神社も存在する。