波比岐神

波比岐神

はひきのかみ

「古事記」や「先代旧事本紀」、「延喜式」などに名が見える神。「波比祇神(はひきのかみ)」、「婆比支(はひき)」、「波比伎神(はひきのかみ)」とも記される。大年神天知迦流美豆比売の間に生まれた子神の一柱。古事記においては名前と出生についてしか記されていないが、延喜式などによれば宮中において座摩巫(いかすりのみかんなぎ)によって祀られた、宮中を護る「座摩神」の五柱のうちの一柱とされる。名義に関しては諸説あり定かではないが、「古事記伝」おいては「波比入君(ハヒイリキミ)」の意ではないかとして、「波比入」とは門から家屋までの間にある庭のこととしている。皇大神宮の所管社に祀られる「屋乃波比伎神(やのはひきのかみ)」は別名を「矢乃波波岐皇神(やのははきすめらがみ)」、「矢乃波波木神(やのははきのかみ)」といい、この神が波比岐神と同体とすれば、「ハヒキ」とは「箒(ははき)」の転訛ではないかとも考えられる。大阪府大阪市中央区にある「坐摩神社(いかすりじんじゃ)」、大阪府大東市平野屋にある「坐摩神社(ざまじんじゃ)」、大阪府岸和田市積川町にある式内社「積川神社(つがわじんじゃ)」、熊本県玉名市立願寺にある式内社「疋野神社(ひきのじんじゃ)」などで祀られる。

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  • This Page Last Updated: 2020-04-28