アスピドケロン
Aspidochelon
古代ヨーロッパの旅人や船乗りに伝わる海の怪物の一つ。「アスピドデロン」とも呼ばれる。名前はギリシア語で「蛇亀」の意。ラテン語では「ファスティトカロン(Fastitocalon)」、中東では「ザラタン(Zaratan)」と呼ばれた。途方も無い大きさの亀で、その巨大な甲羅の上には槌が積もり木や草が生い茂っていて、まさしく海上に浮かぶ島のようであったという。アスピドケロンは口から甘い匂いを発して魚をおびき寄せて食っているという。生き物と知らずにアスピドケロンに「上陸」した船乗り達が甲羅の上で焚き火をした途端、アスピドケロンは叫び、のたうって船や船乗り達を道連れにものすごい勢いで海中深く潜ってしまう。聖書のヨナを飲み込んだ魚や中世キリスト教における地獄の入り口の描写は、この怪物がモデルになっていると考えられている。
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アスピド・デロネ(Aspido delone)
「動物寓話集(Bestiary Bodleian Library MS. Bodl. 764)」(1226–1250)より
ページ:f107r
著者不明
ボドリアン図書館(Bodleian Library)蔵
Copyright : public domain
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アスピド・デロネ(Aspido delone)
「動物寓話集(ジェラルド・オブ・ウェールズのトポグラフィア・ヒベルニカからの追加を含む)(A bestiary with additions from Gerald of Wales's Topographia Hibernica)」(12世紀後半-13世紀前半)より
ページ:f069r
著者不明
大英図書館(British Library)蔵
Copyright : public domain