天忍男
あめのおしお
記紀神話における地霊。伊邪那岐命と伊邪那美命による国産みの際生まれた、「一十四島(とおまりよしま)」のうちの13番目で「六島(むつしま)」の5番目。「天之忍男(あめのおしお)」とも表記する。知訶島(ちかのしま)、つまり今でいう長崎県の五島列島を神格化した存在。「忍男」とは「多し男」の意だと思われ、五島列島に連なる島々を表現したものと思われる。
地霊としての天忍男とは別に「天忍男命(あめのおしおのみこと)」と呼ばれる神もおり、「先代旧事本紀」や「新撰姓氏録」によれば天香山命や天火明命の子孫で、「賀奈良知姫(かならちひめ)」を娶り、尾張氏の祖となる「瀛津世襲命(おきつよそのみこと)」、別名「葛木彦命(かつらぎひこのみこと)」や「建額赤命(たけぬかあかのみこと)」、「世襲足姫命(よそたらしひめのみこと)」など二男一女をもうけたという。