油澄まし
あぶらずまし
濱田隆一著「天草島民俗誌」に紹介される妖怪。熊本県天草市の栖本村河内と下浦村の間にある「草隈越(くさずみごえ)」(現在の「草積峠(くさづみとうげ)」のことと思われる)で、老婆が孫の手を引き歩いていたところ、昔ここに「油澄まし」という怪が出たことを思い出し、「此処にやむかし油瓶をさげたとん出よらいたちゆぞ」と油澄ましの噂をすると「今もー出るーぞー」と言って現れたという。「天草島民俗誌」では「あぶらずまし」とふりがなを振っているが、柳田国男の「妖怪談義」では、「あぶらすまし」と記されている。