金剛牙菩薩(こんごうげぼさつ)

Vajradaṃṣṭra, Vajrayakṣa

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説明

密教における菩薩の一尊。「こんごうがぼさつ」とも。サンスクリット名を「ヴァジュラダムシュトラ(Vajradaṃṣṭra)」あるいは「ヴァジュラヤクシャ(Vajrayakṣa)」といい、「跋日囉薬乞瑟(ばじらやくきしつ)」と音写する。また略して「金剛牙(こんごうげ)」と呼ばれるほか、「金剛夜叉菩薩(こんごうやしゃぼさつ)」とも呼ばれる。金剛夜叉の三摩耶形に住し一切怨敵を降伏させる仏尊であるという。胎蔵界の金剛手院では第三列(向かって右列)東方(上方)より第四位に配し、金剛界曼荼羅では十六大菩薩の一尊として、北輪不空成就如来の東方(下側)に配される。

種字は「हूं(hūṃ)」(胎蔵界、金剛界成身会)、「क्ष(kṣa)」(金剛界三昧耶会)、密号は「調伏金剛(ちょうぶくこんごう)」、「猛利金剛(みょうりこんごう)」、「護法金剛(ごほうこんごう)」、三昧耶形は蓮華上に牙、蓮上半三鈷杵、横杵の上に二個の利牙、半三鈷杵二個を傾け立てたもの。

画像一覧

金剛牙菩薩 成身会

国訳秘密儀軌編纂局 編
「新纂仏像図鑑 地之巻」より
国立国会図書館蔵
Copyright: public domain

両手ともに拳にし外に向け胸にあてる。

金剛牙菩薩 微細会

国訳秘密儀軌編纂局 編
「新纂仏像図鑑 地之巻」より
国立国会図書館蔵
Copyright: public domain

両手ともに胸の前で牙の印(人差し指と小指を伸ばした拳)を結ぶ。

金剛牙菩薩 供養会

国訳秘密儀軌編纂局 編
「新纂仏像図鑑 地之巻」より
国立国会図書館蔵
Copyright: public domain

両手で三鈷杵の片方が二本乗った蓮を持つ。

金剛牙菩薩 金剛手院

国訳秘密儀軌編纂局 編
「新纂仏像図鑑 地之巻」より
国立国会図書館蔵
Copyright: public domain

左手に三鈷の片方が立った蓮を持ち、右手は拳にして外に向ける。

金剛牙

「増補諸宗 佛像図彙(ぞうほしょしゅう ぶつぞうずい)」(1900)より
ページ:v02p010
土佐秀信著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : pubric domain

十六大菩薩・北方四尊の一尊として。

関連項目

キーワード

参考文献

  • 44図解 曼荼羅の見方
    • 著者:小峰彌彦
    • 発行者:石原大道
    • 発行所:有限会社大法輪閣
  • 47密教辞典
    • 編集:佐和隆研
    • 発行者:西村七兵衛
    • 発行所:株式会社法藏館
  • 66新纂仏像図鑑
    • 編集:国訳秘密儀軌編纂局
    • 発行者:吉田百邦
    • 発行所:仏教珍籍刊行会

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