地域・カテゴリ
説明
ハイチのヴードゥー教における愛の女神。現在はもっぱら「エジリ・フリーダ(Ezili Fre'da)」と呼ばれる。地母神や人間の母などではなく純粋に愛を象徴する精霊(ロア)であり、時に嫉妬深く、時に理想的な愛の力をあらわす。彼女は指に三つの結婚指輪をしているが、これは蛇神ダムバラ、海神アグウェ、戦神オグンの三人の夫を持つからだとされている。エルズリーは途方もなく贅沢に暮らしているとされるが、同時に愛や贈り物を惜しまないともされる。「エルズリー・ジェ・ルージュ(Erzulie gé rouge=赤目のエルズリー)」の名で呼ばれる場合、膝を抱え泣いている姿をとり愛と生のはかなさを表現する。
参考文献
- 48世界神話辞典 (原題:A Dictionary of World Mythology)
- 著者:アーサー・コッテル(Arthur Cotterell)
- 翻訳:左近司祥子、宮元啓一、瀬戸井厚子、伊藤克己、山口拓夢、左近司彩子
- 発行者:富澤凡子
- 発行所:柏書房株式会社