耶輸陀羅菩薩

耶輸陀羅菩薩やしゅだらぼさつ

Yaśodharā

菩薩の一尊。「輸」は「輸」とも書く。また「耶戍達羅(やじゅだら)」とも。釈迦の出家前の正妃であった「ヤショーダラー(Yaśodharā)」のこと。釈迦が出家したのちに五百人の釈迦族の女性とともに出家したとされる。名前は「(栄光を)維持する」といった意味を持つため、「持誉(じよ)」、「持名称者(じみょうしょうしゃ)」などの名称でも呼ばれる。密教において菩薩とされ、胎蔵界曼荼羅の観音院(蓮華部院)の第二列(中列)東方(上方)から三位に列される。その像容は身色は真金色で天女のごとく金線冠を戴き首に珠貫を飾り、右手に鮮白の妙華枝を持つとされる。千手観音の別体とされる楊柳観音と同一本誓にして像容を等しくするともされる。
種字は「यं(yaṃ)」ないし、「य(ya)」、印相は蓮華合掌し両薬指の甲を合わせ掌中に入れ人差し指を屈し円を作るもの、真言は「琰耶輸陀羅耶莎訶(えんやしゅだらやそわか)」、三昧耶形は花枝ないし楊柳、密号は「示現金剛(じげんこんごう)」、真言は「南麼三曼多勃馱喃閻(なうまくさまんだぼだなんえん)」(耶輸陀羅真言・T0848)、「曩莫三滿多沒馱喃琰野輸馱囉野娑嚩賀」(耶輸陀羅真言・T0852)。

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  • This Page Last Updated: 2022-02-16