ヴァオテレ
Vaotere
メラネシアに位置するフィジー諸島やトンガ諸島の民間信仰において、トキワギョリュウないし鉄樹(硬質材の採れる樹木の総称)といった木に住むとされる悪魔。名前は「動くくぼみ」といった意味。何人かの男がヴァオテレが住むという木の評判を聞きつけ、木を倒そうとしたが、根を切るたびにそうした男たちは死んでしまった。しかもそうした木の根には傷一つついてなかった。そこで英雄オノ(Ono)は鉄樹の根をすべて掘り起こし、繊細で傷つきやすい若枝の部分を切り落とすという作戦に出た。オノが根元からまっすぐに伸びている太い根を真っ二つに裂いたところ、そこから怒り狂ったヴァオテレが姿をあらわした。大きな口をあけて迫ってくるヴァオテレに対して、オノは魔法の鋤を打ち下ろしてこれを倒した。ヴァオテレの体は無数に飛び散り、それはすべて鉄樹に変わって島を覆ったという。
- 地域・カテゴリ
-
- キーワード
-
- 文献