雨師妾うししょう
Yǔ shī qiè
中国において最古の地理書とされる「山海経」の海外東経の項に記されている神ないし奇妙な姿の人々。体は黒く両手にそれぞれ蛇を持ち左耳に青蛇、右耳に赤蛇がある。「雨師」とは雨の神のことで、郭璞の注によれば「屏翳(へいえい/Píng yì)」(同じく雨の神)のことだという。ただしここでは単純に「雨師」ではなく「雨師妾」としており、妾とは女性の遜った言い回しであるため女神だと考えられる。さらに文中の雨師妾に対する説明では「其為人~(その人となりは~)」と人に対する表現が使われており、神ではなく雨師妾国の人々を描写している可能性もある。
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雨師妾
「山海經(せんがいきょう)」(不明)より
ページ:v03p024
郭璞(伝)著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain雨師妾在其北〔雨師謂屏翳也〕 其爲人黒 兩手各操一蛇 左耳有青蛇 右耳有赤蛇 一曰在十日北 爲人黒身人面 各操一龜