ウヘル・ア・ラック

ウヘル・ア・ラック

Ucherrerak

パラオ神話に登場する兄弟神の弟。ウヘル・ア・ロイサンを兄とする。ウヘル・ア・ラックはいつも兄のもとに食事を持っていくよういわれていたが、その時大声で歌を歌いながら来るように、とも言われていた。不思議に思ったウヘル・ア・ラックがある日歌わないでこっそりと兄のところへ行ってみると、兄は大きな月を独り占めして灯り代わり使っていた。家に帰ってウヘル・ア・ラックが泣いたので、彼らの父は月を少し削って弟にも分け与えた。この月の欠けらは三日月形だったので、彼はこれを釣り針にした。ところが二度目の釣りでこの釣り針はなくなってしまった。釣り針を探すためウヘル・ア・ラックが海中に入っていくと、そこには村があった。そこに住んでいたディリクツーという名のお婆さんが喉を腫らしていた。ウヘル・ア・ラックは村人達に酒を飲ませると、人々は陽気に踊りだして、それを見て笑ったディリクツーの口の中から釣り針が飛び出た。ウヘル・ア・ラックが陸に戻って再び釣りをすると、ディリクツーは今度は餌だけとって針を投げ捨てた。この針は海中の村にあった石に引っかかった。ウヘル・ア・ラックが釣竿を思いきり引くと海中から村があらわれた。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-26