共潜き
ともかずき
日本の三重県志摩地方に伝わる、海に出現するとされる妖怪。「潜(かず)き」とは水中に潜って魚介類などをとることを言う。曇りの日に海女が一人で海に潜っていると、その海女と同じ恰好で出現するとされる。海上に顔を出すと、自分の乗ってきた船しか見当たらないのに海に潜るとまた出現する。近づいてきてもっと深いところへ誘うときもあるという。不吉な妖怪で、共潜きに遭った海女は海に潜るのを辞め、これを聞いた人も2,3日は海に潜ることを控えると言う。また共潜きが鮑などをくれる時があるが、貰う際には必ず後ろ手で受け取れねばならないとされる。共潜きは一見ただの人のようだが、鉢巻の尻(余り)を不自然に長くしているのでそれと分かるという。