洞庭神君どうていしんくん
Tungting-shenchun
中国湖南省北東部にある、中国第二の大きさを持つ淡水湖、洞庭湖に住まう水神。元の名は「柳毅(りゅうき)」といい、気弱な学生であったが、たまたま洞庭竜王の娘が難に遭っているのを見て、苦境を救ってやった。その縁で彼女を娶って昇仙し、後に洞庭竜王の後を次いで洞庭湖の神になったのである。ところが元々文弱の徒であった洞庭神君は容貌が優しかった為に水怪たちを威服させることが出来なかった。そこで昼は奇怪な面をつけ、夜になるとこれをはずして眠るようにした。だが面をつけるのになれた洞庭神君は日ごとに面をはずすことを忘れるようになり、面はついに顔と同化してはずせなくなってしまった。その為、洞庭湖を船で行き来する時に無駄口を聞いたり、何かを指差したり、手をかざして遠くを見たりすると、洞庭神君が自分の顔のことで陰口を叩いたり、自分を指して笑ったり、自分の顔をうかがっていると勘違いして、船を覆されてしまうという。
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