寺啄
てらつつき
日本において、聖徳太子が建立した四天王寺や法隆寺に出現して、嘴で柱などをつついて寺を破壊しようとしたとされるキツツキのような姿をした怪鳥。鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」に見える。また江戸時代に作られた寺島良安による絵入り辞典「和漢三才図会」では「啄木鳥」と書いて「てらつつき」と読ませる。聖徳太子は蘇我馬子と協力して俳仏を主張した物部守屋を討伐したが、寺啄はこの物部守屋が怨霊と化したものだとされる。鎌倉時代の軍記物語「源平盛衰記」によれば、この寺啄の攻撃に対して聖徳太子は鷹となって対抗されるとされており、そのために四天王寺から寺啄がいなくなったのだと説明している。
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守屋霊/寺つゝき(もりやのれい/てらつつき)
李冠光賢画
「怪物画本(かいぶつえほん)」より
国際日本文化研究センター蔵
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