ディーナ・シー
Daoine Sidth
アイルランドにおける妖精の総称。「ディーナ・オシー(Daoine o'sidhe)」、「ディーナ・ベガ(Daoine Beaga)」とも呼ばれる。「小さな人々」の意。シー(細長い塚)、湖、森、荒野、サンザシの木などに住んでいる。人間に似た姿だが変身したり、姿を消したりすることができるという。また、病人を治したり病気を予防したりと不思議な力を持っているともされる。
ディーナ・シーは群れをなす妖精で、王と王女がいる。宴会やパレードが好きで、特にケルト人の祭りであるベルティネ祭とサウィン祭を楽しみにしている。ただし、時に彼らは乱暴で、戦いを好み、砂嵐を起こし人間の花嫁や赤ん坊をさらう、植物を枯れさせる、などといった所業に及ぶこともあるが、牛乳を捧げれば彼らをなだめることができるとされている。彼らは本来の名前を口にすると怒るので、「良家の方」、「善い人」などの婉曲的な表現で呼ばれることが多い。