デーモン
Demon, Daemon
キリスト教における悪魔の総称であり、人と神に害を成すものを指す。また英語圏において一般的に(日本では悪霊と称されるような)下位の悪魔に対する訳語として用いられる。もともとデーモンとはギリシア語の「ダイモーン(ディーマン=Daemon)」から来ている。これは善き悪しきの区別無く人に憑く霊を指す言葉だった(区別する場合、善き守護霊は「アガトダイモーン(Agathodaemon)」、悪しき守護霊は「カコダイモーン(Cacodaemon)」と呼ばれていた)。また「ダイモーン」はさらにサンスクリットの「ディーヴァ(Diva)」を語源とすると考えられている。つまり「デヴィル」と「デーモン」は同じ語源を持っており、実際聖書などにおいて「フィーンド(Fiend)」を加えた三語は交換可能な訳語として扱われていた。現在においても「デーモン」と「デヴィル」を明確に区別することは困難であるが、現在では一般的にデーモンはデヴィルの配下で下位の存在と考えられている。
名前のあるデーモンの多くは元々天使であり、何らかの理由によって神の恩寵をはずれデーモンないしデヴィルになったとされるが、実際にはエジプトなどの異国、異教の神をモデルにしたものが多い。特別な呪文、図形などによって人間のエゴをかなえる様々な目的のために呼び出されるが、多く召喚者の命や寿命のような代償を必要とする。
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