セル
Selu
ネイティブアメリカンの一部族、チェロキー族に伝わる穀霊で「トウモロコシの母(Corn Mother)」。「動物達の主人(Master of Animals)」である「カナティ(Kanati)」の妻で、二人の息子がいたとされる。父の捕まえておいた獣を二人が逃がしてしまったため、セルは息子二人にいつもトウモロコシや豆を食べさせていたが、獣を捕らなければ出てこない肉料理と違って、何をするでもなしに毎日尽きることなく出てくる穀物に兄弟は疑問をもった。そこで台所を覗いてみると、セルは自分の腹をこすってトウモロコシを、足(脇ともされる)をさすって豆を作り出していた。食べ物の出所に驚いた兄弟はそれから料理を口にしなくなったため、セルは自分の秘密を見られたことを知った。秘密が明らかになってしまったセルは死ぬ運命にあった。自分が死んでも兄弟が暮らしていけるように、また自分を思い出してもらうために、セルは自分の衣服で地面を鋤きならした。朝になるとその場所はトウモロコシ畑になった。