栄螺鬼

栄螺鬼

さざえおに

海中のサザエが鬼と化したもの。鳥山石燕の「画図百鬼徒然袋」に見える。巻貝の中からにゅうっと姿を出した、両腕のある姿で『「雀海中に入って蛤となる」「田鼠(もぐらのこと)化して鶉となる」という(どちらも物事は思いもよらぬ変化をするものだという諺)。栄螺も鬼になろうとは』と解説を付している。また房総半島の言い伝えでは、栄螺鬼は一人旅の女に化けて夜更けに一夜の宿を求めに来るが、この女を家に泊めると亭主は殺されてしまうという。普段は海の中にいるが、月夜の晩には海上で楽しげに踊っているともいわれる。しかし石燕は解説を「夢心にも思ひぬ」で閉めているため、石燕の創作妖怪である可能性が高い。

画像
栄螺鬼の画像[1]サムネイル
地域・カテゴリ
キーワード
文献
  • This Page Last Updated: 2016-04-18