塞の神
さえのかみ
日本民俗信仰において、村落の前や峠境などに祀られる、境界を守る神。「さいのかみ」とも読む。また「幸神,幸ノ神,幸の神(さいのかみ)」、「斎の神(さいのかみ)」とも書く(その他「さい」には「妻」、「障」、「性」、「歳」などの字も当てる)。その信仰の起源は道を隔てる石の神「塞坐黄泉戸大神(さやりますよみどのおおかみ)(→道返之大神)」にあると思われる。自然石を利用したり、石標に名を刻んで立てることにより祀られることが多い。境界を塞ぎ疫病や害意、外敵の侵入を防ぐ神とされるが、「さい」に当てる字からの派生か、性病快癒や出産の無事、妊娠などを祈る神ともされる。「今昔物語」や「宇治拾遺物語」などに「道祖神」と書いて「さへのかみ」と訓じていることもあり、道祖神と同一視される。また道俣神とも同一視される。
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