リンケッティ

リンケッティ

Linchetti

イタリアのトスカナ地方において知られる妖精。複数形では「リンケット(Linchetto)」。たいていは目に見えないが、馬や長い耳を持った小人の姿で現れる。悪夢をもたらす妖精で、夜中に鍵穴から人間の家に忍び込んで眠っている者の胸を強く押す。赤ん坊や老人、弱っている人であれば悪夢どころかこれで死んでしまうという。リンケッティの被害を防ぐためには寝室に巻き毛を吊るしておくことが有効とされる。巻き毛を見付けたリンケッティはこれをまっすぐに伸ばすことに熱中し人間へのいたずらを忘れるという。また寝室に亜麻の種をまいておいても良いという。亜麻の種を見付けたリンケッティは一晩かけて一生懸命種を拾ってしまうからだ。またリンケッティは騒ぎを嫌い、雑然とした家を避ける。便器に座りながらパンとチーズを食べるような住人がいる家には二度と寄り付かないという。

悪いことしかしないように思えるリンケッティだが、普段は家畜小屋に住んでいて気に入った馬には勝手に餌を与えるという。ただ嫌われた馬はたてがみを無茶苦茶にされるので気をつけなければならない。

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  • This Page Last Updated: 2015-09-03