日本記紀神話に見える神。「古事記」に見える神名で桃の邪気を払うとされる力を神格化したものと考えられる。オオカムは「大神」、ミは「実」ないし「霊」の意を考えられる。伊邪那岐命が黄泉国の住人となってしまった伊邪那美命との約束を破り、伊邪那美命の醜い姿を見て逃げ出した時、伊邪那美命は黄泉軍や予母都志許売を追手として差し向けた。伊邪那岐命が黄泉国と現世の境界にある「黄泉津平坂(よもつひらさか)」まで逃げてきた時、そこに生えていた桃の実を投げたところ、彼らは逃げ帰っていった。この功績をたたえ桃の実に与えられた神名が「意富加牟豆美命」である。