塗仏

塗仏

ぬりぼとけ

日本における妖怪の一種。佐脇嵩之画の「百怪図巻」や、湯本豪一氏所蔵の「化物づくし・湯本C本」と呼ばれる絵巻、絵双六「十界双六」などに描かれたもの。身色が黒色で上半身が裸、腰に白布を着けており、眼球が眼窩からこぼれてぶら下がった姿で描かれる。ただし「湯本C本」では眼球は落ちておらず、印を結び白毫があるなど、「仏」に近い描き方をしており、また「十界双六」でも眼球は落ちていない。また熊本県八代市の松井家に伝わる「百鬼夜行絵巻」では「黒坊(くろぼう)」の名で同様の化物が描かれている。「百怪図巻」、「湯本C本」、「十界双六」、「百鬼夜行絵巻」に共通する特徴として、背中から足の方に垂れた、黒い何かが描かれており、「湯本C本」と「十界双六」では判然としないが長髪のように描かれ、「百怪図巻」では魚の尾びれのように、「百鬼夜行絵巻」では哺乳類の尻尾のように描かれている。鳥山石燕も「画図百鬼夜行」において塗仏を描いており、これは仏壇から飛び出した姿で描かれ背中は隠れて見えないようになっている。

画像
塗仏の画像[1]サムネイル
塗仏の画像[2]サムネイル
地域・カテゴリ
キーワード
文献
  • This Page Last Updated: 2020-04-22