ヌリアジュク

ヌリアジュク

Nuliajuk

イヌイットのネツィリック族の伝説に伝わる海獣の母。海の女神セドナに非常に良く似ている。昔、ネツィリック族が新しい狩場を見つけようと、現在の居留地を棄てようしていた時のこと。彼らはカヤック(海獣の猟に用いる小舟)をつないでイカダを作ったのだが人数が多すぎてイカダに空きがなかった。孤児であったヌリアジュクは少年達に海の中に投げ込まれ、イカダの縁を掴もうとした手も切り落とされ、海に沈んでいった。切り落とされた指は海の中に沈むにつれアザラシとなった。そして彼女自身は海の精霊となり、全ての海獣の母、ひいては陸の生き物の母にもなったという。

ヌリアジュクは海中において地上と変わらないような家を建て、恐ろしい精霊に囲まれて暮らしているとされる。人間のタブー破りを見張っており、どんな小さなタブーを侵した場合でも全ての動物達を隠してしまうといわれている。そうなると、人々はシャーマンの力を借りなくては、再び動物の姿を見ることは出来なくなる。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-12