クラーケン

クラーケン

Kraken

北欧に伝えられる海の怪物。「クラッベン(Krabben)」、「シュクラケン(Sykraken)」とも呼ばれる。名前はノルウェー語の「クラーク(極地)」を元にしている。「海に住む巨大な怪物」という以外の特徴は一定しない。巨大な海蛇、巨大な(エビやカニのような)甲殻類、巨大な島のような肉の塊など多くの説があるが、一般的にタコやイカのような頭足類の多足動物の姿をしているとされることが多い。エーリク・ポンドピダン著の「ノルウェー博物誌(1752)」によれば、体の幅は2.5キロあり、決して全身を目にすることが出来ない。強力な匂いを発して魚をひきつけて食べるのだが、何ヶ月も食べていたかと思えば何ヶ月も排泄ばかりするのだという(そしてこの排泄物にも魚が群がってくるという)。またイカやタコのように海を黒く染める液体を吐き出すともされる。時に船を襲って沈没させたりするが、元来の性質は大人しく、無闇に人や船を襲ったりはしないという。

ユダヤ教、キリスト教の伝説に登場する天地創造の際生まれた二匹の怪魚をクラーケンとすることがある。現在ではクラーケンの正体はダイオウイカではないかと考えられているが、ダイオウイカは深海域でしか行動しないため、船を襲ったりすることはまず無い。

地域・カテゴリ
キーワード
文献
  • This Page Last Updated: 2015-12-15