メソアメリカ中央部における「羽毛の蛇の神」ケツァルコアトルのマヤ語名。グァテマラ高地のキチェ・マヤ族には「グクマッツ」と呼ばれる。風とハリケーンの神であり、祭祀暦と易断、神の関係についてかかれた絵文書のひとつ「ドレスデン・コデックス」によれば、金星と関連付けられている。またククルカンは最高神イツァムナの数多い化身の一つとして分類されることもあり、ケツァルコアトルと分離して描かれる場合、一方を善、一方を悪として見るメソアメリカに浸透していた二元性の概念を象徴していると考えられる。ククルカンは後古典期チチェン・イツァにおいて特に重要とされた神であった。