菊理媛神
くくりひめのかみ
日本神話に登場する神で、「日本書紀」には登場するが、「古事記」においては言及されない。「きくりひめ」と読むとする説もある。死んだ伊邪那美命が忘れられずに黄泉の国へ迎えに行った伊邪那岐命が、妻の変わり果てた姿に驚き逃げ出したとき、追走の末に黄泉津平坂で口論となった。その時に現れたのが菊理媛神であり、双方に助言し調停したとされる。この時どのような助言を行ったのか、どこから現れたどの系譜に属する神なのかさえも分からない神であるが、一説に神名の「ククリ」とは「聞き入れる」という言葉が語源であり、神霊の言葉を聞く巫女の力を司る神ではないかとの推測がなされている。また一般に加賀(石川県)の白山を御神体とする「白山比売大神(しらやまひめのおおかみ)」と同一視されるが、この経緯についても不明である。