久久能智神
くくのちのかみ
日本記紀神話に登場する草木を司る神。「くくのち」は「くぐのち」と読まれることもある。「久々能智命(くくのちのみこと)」、「句句廼馳(くくのち)」、「木祖神(きのおやがみ)」とも呼ばれる。伊邪那岐命と伊邪那美命の間に生まれた御子神の一人。名前の「クク」は「茎」あるいは「木々」を指し、「チ」は霊威あるいは男性を示す接尾語である。総じて「草木の霊威の神」という意味を持つ。草木とその成長をつかさどり、ひいては生命力全体を司る神とされている。続いて生まれた御子神、大山津見神や野椎神の伏線として現れた神といえる。久久能智神を祀る神社として兵庫県西宮市に公智神社、北海道苫小牧市に樽前山神社などが存在し、森林業や国土開発に携わる人々に信仰されている。