久延毘古

久延毘古

くえびこ

「古事記」に登場する案山子(かかし)の神格。名前の「くえ」は「崩(く)える」、総じて「朽ち果てた男性」を意味する。「久延毘古神(くえびこのかみ)」とも呼ばれる。また古事記中で別名として「曾富騰(そほど)」という名が見えるが、これは「濡れそぼつ」などの「そぼ」に人を表す「と」を合わせた言葉で、昔は案山子のことを「そおど」、「そほど」、「そおず」などと呼んだ。田畑を鳥害などから守る案山子を神格化したものであり、古事記によれば渡り鳥から世間のことを色々伝え聞いているので多事に詳しいとされる。田畑の守り神、収穫をもたらす神として石川県鹿島郡の「久氐比古神社」(くえひこじんじゃ)、奈良県桜井市の「大神神社(おおみわじんじゃ)」の末社である「久延彦神社(くえびこじんじゃ)」、山形県南東部上山市にある「白髭神社(しらひげじんじゃ)」などに祀られている。

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  • This Page Last Updated: 2019-05-26