くだん

日本の妖怪。牛の体に人間の頭がついた姿をしていて、生まれた直後に(大抵不幸な)予言を行った後、すぐ死んでしまうという。また件の出現はよくないことが起こる事の前兆とされる。この件という妖怪がいつ頃発生したのかはっきりとしたことは分かっていないが、明治時代の新聞にはその出現を知らせる記事がある。「件」と言う漢字が人に牛と書くことで、人頭の牛を想像し、また書状、証文などの最後に書きしるす「件の如し(前に述べたとおりである、の意)」という決り文句が「件(という怪物)のようだ」という意味にも取れることから、冗談からこの妖怪が生まれたのかもしれない。また件が敗戦の予言をしたという話があるが、これは「くだん」から「九段」を想像したもの(九段には戦争で死んだ人々を英霊として祀る靖国神社がある。また明治時代にあった「九段の母(英霊として祭られている息子を靖国神社に参った母の歌)」から「件の母(例の母)」と派生したのかもしれない)だと考えられる。

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  • This Page Last Updated: 2015-12-15