木霊
こだま
日本において歳を経た樹木に宿るといわれる木の精霊の総称。「木魂」、「木魅」、「谺」、「古多万」とも書く。また「こたま」とも発音する。森の中で怪しい音を立てたり、人間の姿で出現したりする。鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には、百年を経た木には神が宿って姿をあらわすと説明があり、松の木の傍に立つ老婆の姿が描かれている。人の姿は見せないとしても、古い樹木には不思議な力があり、樹齢千年のケヤキを切ろうとした樵達が腹痛を起こしたとか、古木に斧を入れたら血が出たという話は多く、これらは山彦のせいだといわれている。また声が山に反響して返って来る現象(山彦)のことを「こだまする」というのも、山彦が人の声に応えたものだと考えられたからである。
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木魅(こだま)
1805
鳥山石燕著
「畫圖 百鬼夜行(前篇陰)」より
国立国会図書館蔵
Copyright: public domain百年の樹にハ神ありてかたちをあらハすといふ