牛頭ごず
Gośīrṣa
仏教において、地獄で獄卒として働くとされる牛頭人身の怪物。名前はサンスクリットの「ゴーシールシャ(Gośīrṣa)」を意味訳したもの。「牛頭鬼(ごずき)」、「牛頭羅刹(ごずらせつ)」、「牛頭獄卒(ごずごくそつ)」とも呼ばれる。馬頭とともに「牛頭馬頭(ごずめず)」、「牛頭獄卒馬頭羅刹(ごずごくそつめずらせつ)」などと呼ばれセットで語られることが多い。「五苦章句経」には「阿傍(あぼう)」なる名の獄卒が紹介されており、それによれば頭は牛で手は人のよう、両脚には牛の蹄があり、力は強く鋼鉄の三叉を持ち、それで一度に数百千万の罪人を釜に入れるという。また「大方便仏報恩経」に拠れば、牛頭阿傍は火車を引き、鉄杖と鞭を持ち身は赤黒く大きい、と描写されている。娑婆で牛を苦役した者は、地獄では牛頭の担当になるとされる。
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