梟陽人きょうようじん
Xiāoyáng-rén
中国最古の地理書とされる「山海経」の海内南経の項に記されている奇妙な姿の人々。「北朐国」の西に位置する「梟陽国」という国に住む人々のことで、全身に黒い毛が生え、唇が長く(つまり唇の幅が広く)、踵が反対に反り返っていて誰かが笑うのを見ると笑うという。また続けて「左手に管を持つ」と書かれているが、これを 郝懿行は「異物志」を引いて、「これを捕らえるには竹管を持つ」の意味だとしている。「異物志」に紹介される「梟羊(きょうよう)」という口の大きな怪物は人を襲って食べるのだが、人を捕らえると額を覆うほどに唇をめくりあげて一しきり笑ったあとに食べるのだという。そこで竹筒に腕を通し、捕まえられたあと手を引き抜いて唇を額に打ち付ければ梟羊を捕らえられるという。郭璞は山海経の注で髴髴(→狒狒)ではないかと類推している。
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梟陽國
「山海經(せんがいきょう)」(不明)より
ページ:v03p029
郭璞(伝)著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain梟陽國在北朐之西 其爲人人面長脣 黒身有毛 反踵 見人笑亦笑 左手操管〔周書曰州靡髣髴者人身反踵自笑笑則上唇掩其面爾雅亦云髴髴大傳曰周書成王時州糜國獻之海内經謂之贛臣人今交州南康郡深山中皆有此物也長丈許脚跟反向健走被髮好笑雌者能作汁洒中人卽病土俗呼爲山都南康今有贛水以有此人固以名水猶大荒說地有域人人因號其山爲域山亦此類也〕
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